恋愛とは何か 月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」が教えてくれる五行説で説く恋愛の秘密

2011年02月21日

恋愛とは何か 月9ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」が教えてくれる五行説で説く恋愛の秘密

■第五話『真相』

 裸の修二(三浦春馬)とひかり(武井咲)の火傷の痕のある腕が映った写真が2年1組の生徒達に公になってしまう。生徒たちから説明を求められ修二は、ひかりと関係を持ったことを告白し教室は騒然となる。

 事態を把握した教頭は修二とひかりに学校を休むように言い渡すが、翌日、登校した夏美(戸田恵梨香)は正門で生徒たちから罵倒されている修二に出くわす。かつて友達を傷つけた生徒に、許してもらえなくても学校に来続けることが罪滅ぼしだ、と修二は諭したことがあった。修二はその自分の言葉を噛み締めるように自らを罰していたのだ。
 生徒達の罵声を甘んじて受ける修二の姿にたまらなくなった夏実は咄嗟に盾になる。そんな夏実にも生徒たちの非難の声が容赦なく上がる。夏実は「一番傷ついていいはずの私が修二を救いたいと思った。これが愛なら、愛は苦しい」と思うのだった。

 修二をよく知る教頭は、ひかりと関係を持ったということがまだ信じらないでいた。そして本当は何があったのかと尋ねるが、修二は自分がひかりを弄んだのだと答えるばかりだった。夏実も修二が何かを隠しているような気がして問い質すが、やはり修二は心を開かなかった。

 業を煮やした夏美は修二の実家へ赴き修二の兄・孝一に会う。修二がひかりと関係を持ったとされる夜、修二は実家に帰っていたはずだった。だから夏美はその夜の修二の行動を孝一から聞き出そうとするとしたのだ。もし修一が始業式の前の晩に、携帯電話で話した通り実家に泊まっていたのならアリバイがひとつ崩れる。

 孝一は修二に何があったのか話してくれたら、その夜のことを話すと夏実に交換条件を突きつける。そして孝一は迷う夏美の返事も待たずに話し始めた。

「あの夜、おれ、母親を殴ったんだ」と唐突に告げる孝一に夏美はあ然とする。孝一は修二にずっと嫉妬してきた。その気持ちが母親の何気ない言動をキッカケに爆発したのだ。勉強のできなかった孝一は実家の酒屋を継ぐしかなく恋人もできず将来に何も期待できずにいた。だのに修二は頭も顔も良く親の期待を受けて教師になり、そのうえ美人の嫁までを貰うことになった。孝一はそんな修二が羨ましくて仕方なかったのだ。

 けれど孝一は「おまえが憎い。全部おまえのせいだ」と修二に罵声を浴びせたことを今は後悔しているという。意外な事実を知り呆然とする夏実は、償いたいと言う孝一に迫られるまま修二が生徒と関係を持ったことをつい口走ってしまう。それを聞いて孝一は俄に嘲笑し始める。その姿を見た夏実は幸福な家族だとばかり思っていた修二に別の顔があったことに初めて気づく。私は彼の何を観てきたのだろうと・・・。

 翌朝、あれ以来学校を休んでいたひかりは、修二が逃げずに学校に行き続けていることを知り、自分も登校する決心をする。制止する母親にひかりは「先生を守れるのは私だけなの。苦しみから逃げ続けることが却って苦しみを増すんだよ」と言い放って駆け出す。

 丁度そのころ、登校した夏実は職員室の前で修二に詰め寄る2年1組の生徒たちを目にする。生徒たちは修二に「自分たちに見せていた顔はつくりものだったのか。女子生徒のことを性の対象として見ていたのか」と質問をぶつける。それに修二は「自分は素顔とは違う良い教師を演じていた。生徒を女性として見たことはないが、ひかりのことは女性として魅力を感じた。だから心を弄び関係を持った」と告げる。そこへやって来たひかりは自分がついた嘘を信じて庇い続けようとする修二に居たたまれなくなり、修二を守るため本当のことを話し始める…。

 と、ここから先はひかりの口から真相が語られます。ひかりの独白による緊迫のシーンを17歳の新人・武井咲が迫真の演技で演じています。新人ならではの無我の境地は神がかりでシビれました!! まだ見てない人はどうぞドラマで楽しんでみてください。


フジテレビドラマ「大切なことはすべて君がおしえてくれた」公式サイト
http://www.fujitv.co.jp/kimigaoshietekureta/index.html



■恋愛とは何か
 さてこのドラマにとって第五話「真相」は非常に重要な鍵ですが、『恋愛とは何か』という問いにおいても重要な答えを示唆しています。それは修二とひかり、それぞれの家族関係のことです。

 以下の図を見てください。これは五行の生剋と言います。漢方や四柱推命などの占いの基本原理です。

木火土金水-001.jpg

 詳しくはウキィペディアの「五行思想」の項で確認していただくとして、この五行の生剋で、このドラマの登場人物達の相関関係を示してみたいと思います。まず始めに人間関係の相生関係と相剋関係を理解するために生物学の用語を使って少し解説します。


■相生関係とは
「生ぜられる側に利益がある」関係を示します。相生関係には生じる方の利益の有無で二つに分類できます。

片利共生/生ぜられる側には利益があるが、生じる方には損でも得でもない関係
相利共生/生ぜられる側にも生じる方にも利益のある関係

 生じる方が剋されていない時は片利になり、生じる方が剋されている場合は相利になります。
例えば火と土は相生関係ですが、もし火が水に剋されていれば、火と土の関係は相利共生になります。土が水を剋してくれるからです。でも火が水に剋されている状況でなければ火と土は単に片利共生ということになります。


■相剋関係とは
「一方に利益があるが他方に損失がある」関係を示します。相剋関係には剋する方の力の強さによって二つに分類できます。

寄生/剋す方は剋される側から継続的に栄養を奪うために生かさず殺さずにおく。
捕食/剋す方は剋される側から栄養を奪うために絶命させる。


関係の依存度からみた場合
相手なしでも生きてゆける・・・・・・・・片利共生の生じる方、寄生・捕食される側
相手なしでは生きてゆけない・・・・・・・片利共生の生じられる側・寄生・捕食する方
お互いに相手なしでは生きてゆけない・・・相利共生の両者


※生物学で共生や寄生をこのように定義しているわけではありません。五行の生剋を理解してもらうための概念の借用です。五行説はその関係性に利益があるのか、あるいは損害があるのかという単純な二元論で成り立っています。


 以上を踏まえた上で実際に登場人物たちの関係性を見てみたいと思います。なぜこのような配置になるのかの理由はここでは意味をなさいので割愛します。


木:夏実、ひかりの母親
火:ひかり、修二の母親
土:修二、ひかりの父親
金:2年1組の生徒達、修二の父親
水:孝一、ひかりの姉


 実は、ひかりの修二に対する思いは姉に対する思いと似ています。また修二のひかりに対する思いは孝一に対する思いとよく似ています。何故かと言うとお互い二人きょうだいの未子です。つまり修二とひかりはそれぞれ、兄と姉に対する思いを、互いに投影しています。

 修二は本当は孝一の寂しさに気づいていて理解し救おうとしてきました。だけど出来なかった。だって孝一の孤独の原因は修二の存在そのものですから。もし孝一を幸福にしたければ修二は自ら死を選ばなければなりません。そして生まれ持った五行は変えられませんから相剋関係も変えられません。修二は生きている限り孝一から与えられることしか出来ないし、孝一も生きている限り修二から奪われるという関係性しか持ち得ないのです。

 ひかりもまた姉の寂しさに気づいて理解し救おうと努めました。だけどひかりは姉が大好きである一方でいつも両親の愛情を奪われるという感覚(嫉妬)をずっと抱き続けていました。孝一が修二に嫉妬したように。そして不慮の事故で死んでしまった。だからもう救うことは叶いません。

 五行図を見ると、孝一とひかりの姉は同じ水です。修二とひかりは水の五行にトラウマがあるのです。なので修二とひかりのきょうだいへの思いは実によく似ているのです。そして修二は兄を救えない葛藤をひかりを救うことで解消しようとし、ひかりは姉への懺悔と離婚に至った両親との関係の葛藤や心の傷を擬似父である修二を通して癒そうと手を取り合いました。二人は水の五行を持つトラウマで結ばれたのです。最初は火であるひかりが土である修二を無意識に好きになりましたが、トラウマの観点からも五行の観点からも二人が出遭って恋をするのは実に自然なことです。二人は相利関係と言えるでしょう。

 そうなると修二と夏実の関係は薄弱です。修二は夏実に与えることしかできませんし、夏実は修二から受け取ることしか出来ないからです。実のところ心理学からすれば、修二にとって夏実は、兄を救えないことからくる罪悪感から自罰のために手にした関係と言えます。土である修二は水である兄を傷つけることしかできないけれど、木である夏実に対しては自分という存在は栄養を与えることができます。だから修二は夏実といると自己肯定感を持てるし、それによって兄を不幸にしてしまった罪悪感を帳消しにできる。

 だけれどこういう関係は問題が起こるとすぐに壊れてしまいます。与える側(土)が何かの理由で与えられなくなり、受け取る側(木)に援助を求めても、その関係性上、受け取る側(木)は燃料側(火)に回れないのです。これは生まれ持った五行のせいです。本人の性格の問題ではありません。

 ひかりの両親が離婚を回避できなかったのもそのせいです。五行の生剋でみると土である父は寄生関係の水である長女を失って痛手を負い、さらに木である母にとって水である長女は亡くしては生きてゆけない相生関係です。そして土である父と、木である母は寄生関係にあったわけです。おそらく母娘は友達のような状態で相利関係にあり、二人で土である父を敵としてやり込めていたのでしょう。でも父と母と長女がトライアングルになってバランスをとっていたので、それなりにうまく行っていたのではないでしょうか。

 でも長女が亡くなり精神のバランスを崩した木の母は、土である父にその全ての悲しみをぶつけました。このとき母も父も病気のひかりには縋れなかったと思います。母にとってひかりは片利共生でしかないし、ひかりは病気のせいで火気が弱すぎて木の母と土の父とのかすがいにはなれなかった。これによって父と母は図らずも寄生関係が捕食関係へと移行してしまったのです。このままでは父は取り殺されてしまいますから、身の危険を感じて家を離れざるを得なくなってしまったのです。これではひかりが家族の中で疎外感を感じ、自己の存在に無価値観を持ってしまうのは致し方のないことです。

 ここに示したような一方的な寄生や捕食の相剋関係を男女の愛と思っている人が多いですが、残念ながら勘違いです。たとえば婚活オンナがそのいい例です。婚活オンナ自分は何らリスクを追わずに財力のあるイケメンを捕獲し寄生することだけを企んでいます。これは『宿主を探している寄生虫』と同じです。
 所詮、人間も遺伝子(命)と環境(運)に支配された生物にすぎませんから寄生虫のように生きるのも戦略のひとつでしょう。だけれど相剋関係のカップルに精神の幸福は望めないと思います。夏実もそのことに気づきました。自分の幸福や損得のためではなく、ひかりを守るために戦おうとする修二をみて夏実は解ったのです。自分は自分が幸福になるために修二を利用していただけだったことに・・・。そして夏実は妊娠の事実を隠したままで結婚式をキャンセルし修二に別れを告げます。
 夏実はとても賢く強い女性です。自分の過ちに気づき、愛する人を想って身を引いたのですから。夏実も修二とひかりのように変われたのです。強くなれたのです。苦しみを受け入れさせ利他愛に目覚めさせるのもやっぱり『愛』なんだと思います。



 以上、見てきたように相生関係、特に相利共生関係は補完し合える関係になれますから、互いに幸福感を得て良好な関係が持続するすることが多いです。それには修二とひかりのように同じ五行のトラウマも鍵になります。恋愛とは決して寄生や捕食の関係ではないし、家族やトラウマ(時に現在の問題に化けている)を抜きには成立しえません。もしあなたが幸福な関係を持続できる配偶者に出遭いたいのなら生まれ持った五行とトラウマの生剋関係は知っておきたいポイントです。


■もうひと波乱あり
 さてドラマは次週第七話を迎えます。第六話で謹慎していた修二は学校に復帰しました。修二は六ヶ月の間、実家の居酒屋を手伝いながら鬱々とした日々を過ごしていました。そして謹慎が明けたら退職するつもりでした。
 修二の心が変わったのはひかりを独りにさせないためです。あれ以来ずっと保健室登校をしていたひかりが勇気を出して教室に姿を見せました。六ヶ月の間連絡もとらず離れ離れだった二人の絆は変わっていませんでした。ひかりの涙に修二は自分のことしか考えていなかったことに気づいたのです。そして修二はもう一度戦う決心をします。ところが夏実に妊娠を告げられ・・・。
 
 以降ドラマがどんな展開を見せ最終回を迎えるのか。目が離せないですね。(寸)


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posted by 駿喆咲道 at 19:27 | TrackBack(0) | 恋愛心理考 | 更新情報をチェックする

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■恋愛にも新規顧客開拓にも使える出遭いの教科書
■著者
駿喆咲道@suntetusakudou

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1978年生まれ、東京都在住。「人間とは何か、私とは何か」をテーマに、実存と人間関係の悩みに光を注ぐことを使命にしています。尊敬する人は『夜と霧』の著者 V.E.フランクル(ロゴセラピー)です。

私は常に「道」を求めて開発改善に努めています。それゆえ記事の投稿後も何度も推敲を繰り返します。それにより読者に損害が生じることは恐らくありませんので御安心ください。

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I produced this template on August 29,2017.


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